【大学入試の「志望理由」を考える】「志望理由」のホンネとタテマエ(2)

今回の入試から導入される、大学入試改革(大学入学者選抜改革)。その核心は、「学力の3要素」の多面的・総合的な評価。総合型選抜(旧:AO入試)・学校推薦型選抜(旧:推薦入試)・一般選抜(旧:一般入試)のいずれの入試区分(入試形式)でも、「学力の3要素」(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」)が問われます。ですから、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の有力な評価材料として、「志望理由」がこれまで以上に重視されることが予想されます。

◎大学入試改革の方向性

文部科学省が2017年7月に決定した「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告」の中の「大学入学者選抜に係る新たなルールについて」という項目で、大学入試改革の方向性が次のように示されています。

各大学の入学者選抜において、卒業認定・学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針を踏まえた入学者受入れの方針に基づき、「学力の3要素」(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」)を多面的・総合的に評価するものへと改善する。

文部科学省「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告」

また、一般選抜においても、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」が評価されるようになります。

筆記試験に加え、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」をより積極的に評価するため、調査書や志願者本人が記載する資料等(※)の積極的な活用を促す。
各大学の入学者受入れの方針に基づき、調査書や志願者本人の記載する資料等をどのように活用するのかについて、各大学の募集要項等に明記することとする。
※その他、エッセイ、面接、ディベート、集団討論、プレゼンテーション、各種大会や顕彰等の記録、総合的な学習の時間などにおける生徒の探究的な学習の成果等に関する資料やその面談など。

文部科学省「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告」

これらの評価資料のうち、「志望者本人が記載する資料等」については、「大学入学希望理由書や学修計画書を活用する際には、各大学が、学部等の教育内容を踏まえ、大学入学希望者に対し、入学希望理由や入学後に学びたい内容・計画、大学卒業後を見据えた目標等を記載させる。」と示されています。

以上のことから、総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜のどの形式でも、「入学希望理由や入学後に学びたい内容・計画、大学卒業後を見据えた目標等」、すなわち「志望理由」が問われることになるのです。

◎選抜する側(入試担当者)の立場から「志望理由」を考えると…

それでは、大学受験生はどのような志望理由を用意すればよいのでしょうか?前回の記事でも述べましたが、多くの受験生のホンネは、

「志望理由」なんて言われても、そんなのあるわけないじゃん。あえて挙げるなら「将来、高収入のカイシャに入りたいから」ってところかな。

という感じだと思います。現代は、高校を卒業した人の半数以上が四年制大学に進学し、好待遇・高年収のホワイトカラー(事務系の職種に就く労働者の総称)正社員になる最低条件が「大卒学歴」になっている時代です。ですから、「大学に進学するのはアタリマエ」と考える受験生が多くなるのは当然でしょう。とりわけ、大卒学歴の重要性を痛感している親御さんのもとで育った受験生は、物心がつくころには既に「ボク/ワタシは、しょうらいはダイガクにいくんだよ。」と無意識のうちに思うのではないでしょうか。

とはいえ、「入れるならどの大学でもいいや」といったホンネを入試で出してしまったら、まず合格できないはずです。なぜなら、受験生選抜する側の入試担当者の方々は、「どうしても貴学で学びたい!」という熱意を持った受験生を合格させようとするからです。たとえその「熱意」が本心ではないとしても、このようなホンネを表に出す受験生と比べれば、入試担当者は「熱意」を少しでも伝えてくる受験生のほうを合格させたいはずです(アルバイトの面接で、志望理由として「時給が良いから」「仕事がラクそうだから」などと言ったら不採用になるのと同じです)。

「相手の立場になって考える」(If I were in your position, …)ことが、合格できる志望理由を考える第一歩だと言えるでしょう。たとえタテマエだとしても、自分が「選抜する側が欲しがっている人材」であることを熱心に訴えましょう

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