【大学入試の「志望理由」を考える】「志望理由」のホンネとタテマエ(3)

前回の記事では、これからの大学入試ではどの入試形式でも「志望理由」が問われることと、たとえタテマエだとしても、自分が「選抜する側が欲しがっている人材」であることを志望理由として訴えるべきことを書きました。それでは、選抜する側(入試担当者)に「ぜひこの受験生を入学させたい!」と思わせる志望理由を、どのように作り上げていけばいいのでしょうか?

◎「本気のタテマエ」を作り上げる

goo辞書によれば、【本音】とは「本心からいう言葉。」とされています。一方、【立前/建前】とは「原則として立てている方針。表向きの考え。」とされています。この「【大学入試の「志望理由」を考える】「志望理由」のホンネとタテマエ」の連載記事でも、「ホンネ」「タテマエ」という言葉は、上記の意味で用いています。(当塾ブログの一覧はこちらです。)

大学入試での志望理由として、「将来、高収入のカイシャに入りたいから」「大学に進学する特別な理由なんて、無い。それがアタリマエだから。」といったホンネを語ることは論外です。そこで、タテマエ=表向きの考えとしての「志望理由」を考えることになります。ですが、当塾が強調したいスタンスは、

たとえ「タテマエ」であっても、決してウソを語ってはならない

というものです。別の言い方をすれば、タテマエの「志望理由」のタネは受験生自身の中に眠っており、そのタネを大樹に育てる過程で「本気のタテマエ」になっていく、と考えています。

「タネ」は、とても些細なことかもしれません。もし、私が大学受験生として志望理由をまとめるとしたら、私の「タネ」は「日本の教育はおかしい!」という思いになります。これは高校時代の実話ですが、私は英単語の暗記が大嫌いで、「何でこんなに大量の英単語を暗記しなくちゃいけないの?」と思っていました。また、家庭の経済的事情で高校入学時は高卒就職を考えていた(その後、周囲の方々の援助を受け、給付型奨学金を獲得できたことにより、何とか大学進学が実現しましたが…)私にとって、周囲の同級生たちの「とりあえず大学に進学するのはアタリマエでしょ?」という考え方にどうしてもなじめず、「なぜ同級生のほとんどは大学に進学するのか?」と疑問に思っていました。

なお、私にとっての、もっと些細でお恥ずかしい「タネ」は、「いち早く親元から離れたい」「都会に出ればいい出会いがあるに違いない(〈カノジョいない歴=年齢〉の状況を何とかしたい…)!」といったものです。

そんな「タネ」は、おそらくすべての大学受験生にあるはずです。一見、大学受験とは関係ない「タネ」であっても、練り上げていくうちに「本気のタテマエ」に成長していきます。私の場合は、「教育を変えるためには、まず教育について学ぶ必要がある。親元を離れて都会暮らしをしたいことも考えれば、旧帝大の教育学部(主目的が教員養成ではなく、教育に関する研究である教育学部)を目指そう。せっかくなら東京に出たいし…。そうだ、東京大学教育学部を目指そう!」という筋書きです(けっこう、ムチャですが)。

ここまでで、些細な「タネ」から、志望大学や学部・学科が決まりました(これを「本気のタテマエ」とします)。「タネ」は自分のホンネ(これまでは「志望理由」とは結び付いていませんでしたが)ですから、タテマエであっても本気になることができます。

ですが、この「本気のタテマエ」、そのまま大学入試の「志望理由」として語ってしまうと、おそらく不合格になってしまうことでしょう。その理由は、自分が「選抜する側が欲しがっている人材」であることを訴えていないからです。相手の都合を考えず、自分の希望を一方的に伝えても、相手は決して良い印象を抱きません。

では、どうしたら「相手の都合」を知ることができるのでしょうか?その答えは「アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)」を把握することです。

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