【大学入試の「志望理由」を考える】「志望理由」のホンネとタテマエ(4)

前回の記事では、自分の中に眠っている些細な「タネ」から「本気のタテマエ」の志望理由を練り上げていくことが大切だ、ということをまとめました。とはいえ「相手の都合」を考えない一方的な志望理由では、決して合格することはできません。そこで注目すべきなのが「アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)」です。

◎「アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)」とは?

まず、学校教育法施行規則第165条の2の規定を見てみます。各大学は、大学・学部・学科・課程ごとに、「卒業又は修了の認定に関する方針」(ディプロマ・ポリシー)、「教育課程の編成及び実施に関する方針」(カリキュラム・ポリシー)、「入学者の受入れに関する方針」(アドミッション・ポリシー)を定めることになっています。

次に、令和3年度大学入学者選抜実施要項を確認します。以下、アドミッション・ポリシーに関する部分を引用します。

アドミッション・ポリシーの策定については,ディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーを踏まえ,これらの方針に基づく教育を受ける学生の選抜の方針としてふさわしいものとなるよう留意して策定する。
このために,各大学の特色や教育研究上の強み,社会的役割等を踏まえ,ディプロマ・ポリシーにおいて,当該大学において育成を目指す人材像とそれに基づく学生が身に付けるべき資質・能力の目標を記述するとともに,カリキュラム・ポリシーにおいて,ディプロマ・ポリシーの達成のために,どのような教育課程に基づきどのような学修を行うのかを記述することとする。
さらに,これらを踏まえ,アドミッション・ポリシーにおいて,抽象的な「求める学生像」だけではなく,入学志願者に高等学校段階までにどのような力を培うことを求めるのか,そうした力をどのような基準・方法によって評価・判定するのかなどについて可能な限り具体的に設定する。その際,第1に示す三つの要素については,各大学の特色等に応じて具体的な評価・判定方法や要素ごとの評価・判定の重み付け等について検討の上,それぞれについて適切に評価・判定するよう努める。
あわせて,入学後の教育課程を踏まえ,高等学校で履修すべき科目や取得しておくことが望ましい資格等を列挙するなど「何をどの程度学んできてほしいか」をできる限り具体的に記述する。
また,記述する科目・資格等は,高等学校教育の内容・水準に十分配慮したものとする。

令和3年度大学入学者選抜実施要項

大雑把に言えば、「アドミッション・ポリシー」とは、「こんな受験生を合格させたい!」という大学側のメッセージ、ということになるでしょう。

◎アドミッション・ポリシーの具体例

ここでは、当塾のある長野県内の大学の最難関、信州大学医学部医学科のアドミッション・ポリシーをご紹介します。具体的には、次のような素養を持つ学生を選抜する、と記されています。

  • 医師となる明確な目的意識を持っている
  • 大学入学前の高等学校の課程等を能動的に幅広く学び,国語,地理歴史,公民,数学,理科,外国語で学習したことを身につけ,医学を学んでゆくにあたって必要な基礎学力がある
  • 医師となるのにふさわしい協調性,決断力,積極性を持っている
  • 病める人を救う情熱,思いやりと奉仕の心,倫理観を持っている
  • 将来の人類のために創造的な医学研究を志向するに必要な思考力・判断力の素養と探究心を持っている

◎アドミッション・ポリシーに合わせて、「本気のタテマエ」を加工する

大学側は、アドミッション・ポリシーによって、「私たちの大学はこんな受験生を合格させます!」というメッセージを伝えようとしています。ですから、合格するための志望理由を作り上げるためには、「本気のタテマエ」をアドミッション・ポリシーに合わせて加工する、ということが不可欠となります。

では、そのやり方は…また、次回の記事で。

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